天台宗総本山、比叡山の延暦寺を紹介|延暦寺ってどこのこと?
天台宗総本山である「比叡山延暦寺」は、滋賀県大津市坂本本町にあり、標高848mの比叡山全域を境内とする寺院で、日本仏教の母山と称されています。
1200年の歴史とその教えが世界から高い評価を受け、「ユネスコ世界文化遺産」にも登録されました。
歴史の教科書にも、度々登場する「比叡山延暦寺」ですが、どんな場所なのか簡単にですが、今一度振り返りたいと思います。
比叡山延暦寺についての概要
まずは比叡山について説明しておくと、比叡山は滋賀県大津市の西部から京都府京都市の東部に跨がっており、その山上に、天台宗の開祖・伝教大師 最澄が開いたとされる延暦寺があります。
延暦寺とは?
三塔にはそれぞれ本堂があります。
最澄とは?
ちなみに亡くられたのは822年。清和天皇より伝教大師の諡号が贈られたのは866年で、日本で初めての大師号となりました。
また、比叡山延暦寺は、阿弥陀聖と称される空也、浄土宗の開祖・法然、浄土真宗の開祖・親鸞、臨済宗の開祖・栄西、曹洞宗の開祖・道元、日蓮宗の開祖・日蓮、時宗の開祖・一遍など、日本仏教界の名だたる名僧を輩出していることから、日本仏教の母山として仰がれています。
東塔(とうどう)
東塔は最澄が延暦寺を開いた発祥の地で、延暦寺の本堂である根本中堂(こんぽんちゅうどう)や大講堂などがあります。
根本中堂とは?
南側に中庭が配置される寝殿造りの建物は、1953年に国宝に指定され、周囲を取り囲む廻廊は国重要文化財となっています。
本尊は最澄が一刀三礼して刻んだと伝わる最澄自刻の薬師瑠璃光如来があり、最澄が宝前に灯明をかかげて以来、その灯火は1200年間一度も消えることなく輝き続けており、不滅の法灯と呼ばれています。
大講堂とは?
本尊は大日如来で、本尊の両脇には比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像(日蓮、道元、栄西、円珍、法然、親鸞、良忍、真盛、一遍)が安置されている。また、外陣には釈迦を始めとして、仏教や天台宗ゆかりの高僧の肖像画がかかっている。重要文化財だった旧大講堂は、1956年に放火による火災で焼失しており、東麓・坂本の東照宮の讃仏堂であったものを1964年に移築した。
西塔(さいとう)
西塔は、国重要文化財に指定されている釈迦堂を中心とした区域です。
伝教大師・最澄上人の御廟所である浄土院、修行のお堂であるにない堂などがあります。
釈迦堂とは?
こちらの釈迦堂も、国重要文化財に指定されています。
浄土院とは?
こちらの浄土院も、国重要文化財に指定されています。
にない堂とは?
弁慶が両堂を繋ぐ廊下に肩を入れて担ったという言い伝えから、にない堂と呼ばれています。
826年に建立され、後に焼失を繰り返し、1595年に現在の建物が再建されました。また、1955年に国の重要文化財に指定されました。
横川(よかわ)
横川中堂を中心とする区域です。西塔からさらに北へ4kmほどのところに位置します。
横川には、おみくじ発祥の地として有名な元三大師堂などがあります。
横川中堂とは?
横川の本堂であり、舞台造りでまるで船が浮かんでいるように見えるのが特徴。
お堂の中央部に本尊として慈覚大師作と伝えられる聖観音菩薩像が祀られている。
旧堂は国宝指定されていましたが、1942年に落雷により焼失してしまい、現在の堂は再建されたものとなっています。
元三大師堂とは?
大師堂の門前に「おみくじ発祥之地」と刻まれた シンプルな石碑が建っています。
元三大師・良源はおみくじの元祖とも言われ、いまも多くの人々の信仰を集めています。
ここではおみくじは自分で引きません。まず僧侶に悩みを打ち明け、「いまどうすべきなのか」の判断を元三大師に伺うために僧侶がおみくじを引き、その意味を解説してくれます。