新元号と万葉集の話。
新元号と出典は?
新元号が本日発表されました。
「令和」
近しい昭和と和が被っている意外な結果でした。
万葉集が出典先。
梅花の歌三十二首并 序「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉をひらき、蘭は珮後の香を薫す」『万葉集』巻五
令を使った元号はいまいち思い浮かびませんが、
和は、昭和から始まり、永和や明和、享和などそこそこ使われているイメージがあります。
なお、今まで出典元の古典は中国のものから選ばれており、日本の古典から選ばれたのは初ということ。今回の元号で645年の大化から248個目となります。
安倍首相より「人々が美しく心を寄せ合うなかで文化が生まれ育つ」という意味であることの説明がありました。
新元号が使用開始となるのは、5月1日からとのこと。
万葉集に関連した大津の話
大津といえば、もっとも有名ではないかと思われる百人一首の蝉丸による「逢坂の関」の歌などがあります。
万葉集は日本最古の歌集。
では万葉集内ではそういった歌はあるのでしょうか?
淡海の海 夕波千鳥汝なが鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ (柿本人麻呂)
八隅しし吾が大王の大御船待ちか恋ひなむ志賀の辛埼(舎人吉年)
楽浪の志賀の唐崎さきくあれど大宮人の舟待ちかねつ(人麻呂)
淡海(おうみ)や唐崎などが使われているようですね。
だいたい唐崎などは、琵琶湖畔で風情を感じ、思わず歌にした、というところでしょうか。
唐崎の湖岸緑地公園には万葉歌碑が建立されているそう。
少し前の記事ですが、淡海万葉の会の方々が尽力されており、既に10基を超えている模様。☞
万葉集の歌碑:滋賀の歴史に思いをはせて 2基建立 大津・唐崎で除幕式 /滋賀 - 毎日新聞
このほかにも、他の新古今和歌集といった歌集では比叡山など題材にしたものも見受けられます。もちろん、上に書いた蝉丸の歌も逢坂山を歌っていますしね。
近江の国、近江商人、近江牛といったフレーズが先行しがちですが、
大津市は京都に近接するだけあって、文化・歴史がしっかりとある町だと感じます。
これを機に、大津市関連の読まれた歌の場所に行ってみる、といったことも面白そうですね。
(追加情報等あれば追記いたします)