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滋賀県大津市を中心とした地域情報、ニュース、懐かしネタなどを紹介する雑記ブログです。大津市で発見した出来事をお届けします。

大津市でのシェアサイクルの行方。

大津市はシェアリングエコノミーへの取り組みを進めており、平成29年11月には「シェアリングシティOTSU」宣言が行われました。

今回は、そんな「シェアリングエコノミー」とは、何かから、実際にどういった取り組みが進められているのか、その中で一時期中国企業の参入が話題になったというところまで、ゆるりとまとめていきたいと思います。

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 大津でのシェアサイクルについて。

進むシェアリングエコノミー

そもそもシェアリングエコノミーとは何なのか。

基本的な考え方としては、

ものやサービスなどを多数の人との間で共有し、それをみんなで使ったりしていくような経済のこと。

身近なところで普及している例だと、タイムズのカーシェアなどが有名ですね。

使いたい時だけ使える車を持つことで、本来車を所有していれば発生するコストを抑えられるなどのメリットがあります。

以前書いたこちらのADDressさんのサービスなども、使っていない古民家を利用したシェアリングですね。

otsumedia.hatenablog.com

石山駅でのシェアサイクルの話。

 今回報道があったのが、石山駅で貸出用の自転車を用意して月額や一時的な利用を可能にするシェアサイクルが実験的に行われるとのこと。

記事によると、一回の利用は350円、一ヶ月の定額利用だと2370円と大幅な割引になるみたい。

営業時間は、午前6時から午後11時で、翌日の午前10時までに返す必要があるとのこと。

なお、運営元はJR西日本みたい。

以下のプレスリリースが発表されていました。通称駅リンくん

そもそもの背景は?

当然、大津市がシェアリングエコノミーを推進していることが前提だが、

石山駅前の駐輪場は利用率が非常に高く、常に空き待ちが発生しているとか。

そうした待機者の緩和 を目的として試験的に今回導入されるみたい。

確かに、石山近辺はバス系統も多いが、自転車なら10分かからないというような住宅も多く、ニーズは非常に高そうですよね。

返却場所は?

従来のシェアサイクルなら、返却場所は一箇所ではなく、いろんなところにあり、そこで乗り捨てることも可能だが、こちらはそうしたものは想定しておらず、借りた場所に返却する仕組みだと思われる。

アメリカとかであるCityバイクはその駐輪場であればどこでも返せるし、本当に行きたいところまで乗るイメージ。(そうしたサービスは、クレジットカードやICカードと連動させているので、ぴっとタッチするだけで返却できたりする。)

これは多分観光に来た人向けというより、待機緩和目的なので仕方ないですかね。

利用は見込めるのか?

少し考察

実際の利用状況は発表されていないが、サービスとしてどうなのかを少し考えてみました。

1日350円の単発で利用するケースは、だいたい観光客を想定。

一方で、定額であれば2370円とこれはなかなかお得だと思われる。

実際、通常の駐輪場で一ヶ月定期にした場合、大津市の規定の一般金額は1540円。

従来支払っていた金額に830円乗せれば、自分の自転車を買わずとも通勤通学に利用できる。自転車って一般的なママチャリで本体価格7000から8000のイメージだけど、仮に10000として月当たり800円だと勝手に考えると、まぁ妥当なところか。

まぁでも想定がやっぱり観光向けではないのが今後の発展に関してはネックかなぁ。

観光向けと考えて個人的に行きたいところ

石山駅ということから、いける場所は大津や膳所に設置されるよりも広がっている気がします。唐橋を渡って、近江大橋の方を目指してみたり、粟津の方から膳所公園に向かっていくのも一つだし、石山寺方面、南郷、田上までサイクリングすれば、晴れの日ならすごく気持ちいいはず。個人的には近江大橋をぐるっと経由して戻ってくるルートとか、すごく時間を持て余していれば行ってみたい。

過去には中国企業が撤退・・・‼

そもそも、大津市には中国のシェアサイクル大手の「ofo」が2018年4月より参入しており、いろんなところで黄色の自転車、駐輪場等を目にした人も多いはず。

そんなofoですが、なんと2018年10月に突然の撤退を大津市に通告。

こちらのサービスは自転車についてるQRを読み込むとスマホで自動決済されるなど、今後日本で普及が期待されるようなサービスだったのですが・・・。

こちらの企業は和歌山でも同様の事業を展開していたようですが、ほぼ同時期に撤退を通告した模様。

うーん、よっぽど採算があわないとかそういうことですかね?

まぁ日本の行政はきっちりと規制にうるさく、そうしたことを嫌った可能性もありますがね。

 

考察とまとめ

やっぱり一言でシェアリングエコノミーといっても非常に難しいですよね。

みんなで物を共有する、となれば、当然一人一人の使い方などにモラルも求められてきますし。

今回はJRが業務委託を受けているようで、目的もどちらかといえば、観光地などをつなぐ役割というよりかは、地域住民の方々の利便性向上を狙ったものなので、撤退どうこうにはならないと思われます。

実際のところ、中国の例からもみるに、企業側の利益(少なくとも黒字を維持できること)と住民や利用者の利便性の両立が不可欠となります。

そして何より、利用が手軽で登録なども簡単であること。これが大事。

 

制度自体は、特に行政による補助金などで成り立つ部分も多そう。

今後、観光向けなどでどんどん普及させていくのであれば、告知方法などをしっかりと選定していく必要があるように思います。

また、①地域のインフラとして住民に寄与するものなのか?、②観光客に使ってもらうことを前提としたものなのか?など、そうしたところを明確に訴求していくことも必要になってきそう。

ofoのように(撤退してしまいましたが)、導入検証やサービス向上のため、積極的に外資などのサービスを取り入れるのは不可欠かと思います。

大津市は観光地は点在していますが、それらの点をつなぐ線が欠けているように思います。交通網整備はなかなか限界かもしれないなかで、インバウンドなどを取り込む足として期待されているだけに、シェアリングエコノミー、特にこのサイクルの部分はうまく機能していって欲しいです。